鈴北糸の雑記帳

三人組創作ユニットがなんとなく始めたブログ。

16ページ目:美容に課金した話

そうだ、課金して女子力をあげよう。

 

10月9日、社会人の鈴こと私は金曜日にアルコールを摂取し、そのままずるずると終電を逃しタクシーも捕まえられなかった結果、駅前のホテルに突撃訪問し一泊した。

その日の朝に私は思った。女子力、上げよう。そうと決まれば行動は早くて、私は帰り道の電車の中で当日予約が可能なサロンを探し、午後の予約の枠をとっていた。

 

なぜ急にそんなことになったのかはよく分からない。ただ以前から気になってはいた。美容系YouTuberを皮切りに知っている女性YouTuberが最近みんな通いだしている眉サロンがいいなと思っていた。行ってきた人全員が「絶対に行った方がいい、後悔はしない」と言ってたら、そりゃ、気になるに決まっている。

でも私は同時に知っているのだ。自分でも整えることができることを。私の中の節約と僻みの入り混じった人格が「そんなの自分でできることじゃない?」と囁いていることを。

ハサミとコームさえあれば、コツわかれば自分でも対応可能だってことを。自分でやればコスパもいいし、人と会うことがない。サロンの華やかな雰囲気に当たって体がチリになることもないのだ。

 

だけど、もうそんなの関係なく行くことにした。もうしらん。体が無くなるのならそれまでの命だったということ。お金の無駄遣いだと後悔してももうしょうがない。なぜなら、自分でやる正解がわからないのだから。

 

女子力の上げ方が分からないなら、プロにお任せするのが良くない?

 

そう。蛇の道は蛇。顔面の道は顔面を普段取り扱っている数々の美容師たちにお任せすればいいのである。もちろんお金はかかる。手間賃と技術料は支払わないといけない。それを高いと考えるのならしょうがない。

でも、それならなぜ私は社会人をやっているのか?なぜ私はそこそこの給料をもらっておきながら、まるで自分の収入が大学生の時と変わらないかのように、サービスに対して「高いから~」と渋っているのだろうか。こんなの飲み会を一回、大きなアクスタを2つぐらい我慢すればいいだけの話である。

 

そして私は当日予約ができる眉サロンに飛び入りで予約した。とりあえず適当に人気店を探し、駅から一番近くて予約のできるところにした。そこは本来はまつ毛のサロンらしく、眉のメニューはひとつしかなかったので中身もそんなに見ないで予約した。こういう時は少しでも考える時間を与えるとダメなのだ。勢いでしかできないものがこの世にはある。

 

実際に行ってみると、そこはオフィスビルの内装をリフォームしたような場所で、外観からは全く分からなかったので場違い感はそんなに感じなかった。

ただ、内装はやはり女子向けに作られていて、白いレースがそこかしこにつけられており、予測はしていたがやはりここは少し敷居の高いところだったのかもしれない、と心の片隅で思ってしまう。とりあえず受付に行き、名前を伝えるとどうやら担当者は受付の人だったらしく、そのまま開始になってしまった。

 

実は施術については気がついたら眠ってしまったので、どんなふうに行なわれて、いつ終わったのかは知らない。途中でワックスをかけるとかで痛い時はあったのだが、それも一瞬のことであとは特に痛くなかったし、部位によっては全く痛くなかった。

加えてサロン全体の女子力底上げ空間の力もあった。レースカーテンが微妙に他のお客さんの視線を遮るし、最初にめっちゃ柔らかいブランケットかけてくれるし、BGMもリラックスさせようというチョイスが出ている。そりゃ寝るしかないのである。気がついたら私はお姉さんの「終わりましたよー」という声かけで目を覚まして、そこで初めて自分が「寝ていた」ことを自覚したのであった。

ちなみに、寝るとこのサロンの女子力高いお高く止まったような空間が一気に身近に感じられる。もう2回目は怖くないとはっきり思えるのだ。きっと、その中で寝ても誰も笑ったりしないという安心感があるからなのだろう。違うかもしれないけれど。

 

お姉さんは「すごく変わりましたよー」といった、明らかに他の人にも言っているような言葉を投げかけた後、「そしたら鏡面台まで行ってもらって、鏡の前で形を確認してくださいねー、あとでお手入れのやり方をお伝えしますので」と言ってくれた。それに従って私は鏡面台の方へ行き、初めて自分の課金の結果を知ることになる。

 

そして私が鏡を見た時の印象がこれ。

 

意外といいんじゃない…??

 

これが私が鏡を見た時の感想である。そういう美容の知識は一つもないのだが、改めて「眉毛は顔の額縁」と言われる所以が少しわかった気がする。

顔面は何も変わってい無いし、なんなら少し手抜きしているのに、眉毛を整えておくとそれだけで「しっかりしています感」が出るのだ。メイクはしてい無いけれど、自分をよく見せる方法を私は理解していますよ、みたいな。ワックスかけて、長さを揃えてもらっただけなのに、自分の毎朝の理想が7割ぐらい完成しているようなものだ。ちなみにサロンの人はその場で「こういうふうに描いてくださいね~」と言いながら私の顔面を9割完成させてしまった。ここまでされると、最初の「意外といいんじゃない?」は「本当にいいじゃん!!」に変わってしまった。もはや驚き通り越して恐ろしさまである。そのまま私は料金を満足げに支払い、サロンを後にしたのだった。

 

以上が私の突撃美容大作戦の全容である。時間は約1時間。費用はそれなりにかかってくるが、1時間の満足度としては妥当なものだと思っている。女性YouTuberがこぞってやるわけだ。これは周りに広めなければいけない。

 

 

そんなわけで、今ブログ見ているあなた、美容課金、いかがですか?

 

 

追記:そのまま上機嫌になった私は予定外のデパコスを購入し、無事に今月も赤字を達成してしまっている。しかしデパコスとは恐ろしいもので、後悔することが自分の資金力だけで、商品の質にはなんの文句もないところなのである。